STORY 03
市場拡大とトータルセキュリティ企業への道

STORY 03
市場拡大と
トータルセキュリティ
企業への道

1世紀かけて築き上げた
「守る・収める」技術

クマヒラの「原点」である金庫。
国内トップクラスの技術と、圧倒的なラインナップでお客様のニーズに応えてまいりました。
これからも日々変わり続ける「求められるセキュリティ」に挑戦していきます。

年代 製品 社会の様子
1972
(昭和47年)
防犯カメラSC-1

防犯カメラSC-1

日本初の本体内部にフィルムカセットを内蔵し、撮影したデータを保存できるフィルム式防犯カメラを販売開始。当時のCCTVカメラよりも高画質で撮影が可能であり、高画質なカメラを求める金融機関向けとして全国で爆発的に導入が広がった。
1990年代まで永く金融機関に採用された製品であり、現在に至るまでのクマヒラのセキュリティ製品の先駆けとなった。

第一次田中角栄内閣発足

日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明(『日中共同声明』)が、1972年(昭和47年)9月29日に中華人民共和国北京市にて調印され、日中国交正常化に合意。

1975
(昭和50年)
ガードロック

ガードロック

クマヒラ初の入退室管理システム。関係者以外の出入りを制限する必要のある部屋の扉に設置し、暗証番号を入力し解錠する仕組みであった。新設・既設の扉を問わず設置でき、押しボタンを破壊しても解錠されないシステムであった。後年にトータルセキュリティの重要な分野となるGG-1の原型ともいうべきものであった。

山陽新幹線が全線開通

1972年に新大阪~岡山間で開業し、1975年には博多まで開通。これにより新大阪から博多駅まで、路線距離にして実に553.7kmを結ぶ全線が開通した。

1982
(昭和57年)
全自動貸金庫 FX-1

全自動貸金庫FX-1

クーポンブースにいる利用者の手元まで貸金庫保護箱を自動的に搬送、利用後は自動で元の場所に戻るシステム。その正確かつ高度な技術は現在も後継機種へと受け継がれ進化を続けている。

金融機関の第2土曜日休業スタート

金融機関は、土曜日の午前中だけ勤務する「半ドン」という形態を採用していたが、海外からの「働き過ぎ」批判の強まりを受け、官公庁が主導となり第二土曜日の休日化が開始された。これ以降証券会社も第二土曜日は店を開けず、東京証券取引所も休みとなった。

1984
(昭和59年)
CD・ATM保護チェスト

CD・ATM保護チェスト

専用の防御材と特殊構造により、物理的な防御を究めた、金庫メーカーならではのCD・ATMプロテクターである。かつて1か月間に12件のCD・ATMが破壊される盗難事件が発生した際、かねてよりCD・ATMの防盗性に危惧を抱き、防盗性の高い保護チェストの開発を進めていたクマヒラへの相談が相次いだ。そこでユーザーの前で破壊テストを実施し、高い防盗性を実証してみせた。

NHK、衛星テレビの試験放送開始

NHKが「ゆり2号a」による世界初の一般視聴者向けの営業放送へ向けた試験放送を開始。試験放送開始前は、離島山間部といった、人口希薄な地域における難視聴地域の解消を上げていたが、その方針を転換し、地上放送では難しい専門性の高い番組を提供するなど、チャンネルを増やす目的の放送となった。

ギャラリーボールドGV-1

ギャラリーボールトGV-1

文化財の収蔵庫・展示室の一次壁の内側に、パネル工法で六面体の二次壁を構築し、理想的な収蔵環境を得ることを目的とした収蔵庫用壁材を発売。文化財の主たる劣化要因である「火災」や「急激な温度・湿度の変化」、「RCからのアルカリイオン微粒子および湿気の流入」や「Nox,S0x、塩分等有害物質の外部よりの流入」などから文化財を保護する専用のパネルにより文化財保護に大きく貢献することとなった。

1万円、5千円、千円の新札発行

それぞれ新札の肖像には文化人が採用され、一万円は「福沢諭吉」五千円は「新渡戸稲造」、千円には「夏目漱石」が選ばれた。

1992
(平成4年)
ポータブルキーボックス

ポータブルキーボックス

カードを読み取らせ、暗証番号を入力することで、あらかじめ登録しているキーホルダーのロックが解除され、取り出すことを可能とし、鍵の無人管理を実現。金融機関において、金庫扉や現金庫、重要品庫の鍵など、頻繁に使用する重要鍵の管理という問題を解決し、担当者および担当役席の煩わしさと負担を解消した。

ソビエト連邦消滅

政治革命として打ち出したペレストロイカ(改革)が大きな引き金となり、市民による抗議運動が多発。その後ソビエト共産党の解体を経て、ソビエト連邦大統領ゴルバチョフは辞任。連邦構成していた15の共和国が分離し、ソビエト連邦は完全に崩壊した。

1999
(平成11年)
プロテクトセイフ

プロテクトセイフ

PL法の施工や震災による教訓、金庫破り等の犯罪も増加傾向にあり、ユーザーの製品性能に対する関心が高まりを見せてきた頃に、販売を開始した防盗耐火金庫。火災時、庫内温度を177度以下に保ち、紙類を焼失から守るUL耐火規格CLASS350、3時間の耐火性能を備え、かつバールなどの攻撃から収納物を守る耐工具15分以上の防盗性能を兼ね備えた防盗耐火金庫であった。

東京証券取引所にベンチャー企業向け株式市場「マザーズ」発足

マザーズは東証一部や東証二部と同様、東京証券取引所にベンチャー企業向け市場として開設された。上場基準が東証などの一部や二部市場より大幅に緩いため、起業して間もない企業や成長性は見込めるものの先行投資等により赤字決算の企業も新規に上場が可能となった。

2000
(平成12年)
ファイアーマックスFM1/2

ファイアーマックスFM1・FM2

耐火は1時間・2時間と旧JISと同じであるが、UL・新JIS耐火規格の取得により耐火性能がUPした。

金融庁発足

金融庁は金融機関を検査・監督していた「金融監督庁」と、金融制度の企画・立案を担った旧大蔵省の「金融企画局」を統合し発足。当時、金融行政全般は大蔵省の担当だったが、様々な弊害が明るみに出たことを受け、財政と金融行政を分離。その後、いくつかの再編が行なわれ、金融行政一般に携わる現在の金融庁の形になった。

2001
(平成13年)
入退室管理システムGG-1

入退室管理システムGG-1

標準化、コンポーネント化された機能をネットワーク接続することで、柔軟性と拡張性を実現したシステム。施設の規模やリスクに応じたセキュリティ計画の変更時にも、システム全てを入れ替えることなく、最新の機能を素早く付加・更新していくことができるため、トータル運用コストの削減にも貢献。トータルセキュリティの柱として牽引してきたシステムである。

ニューヨーク・ワシントンなどで同時多発テロ発生

計4機の飛行機がニューヨークの世界貿易センタービル、首都ワシントンの国防総省ビル、ピッツバーグの郊外に墜落し、3025人の死者を出す大事件となった。これきっかけにアメリカでは、「事前に情報を入手していたにも関わらず対応が遅れたこと」が問題となり、入手した情報を有効に活用すべく国土安全保障省が新設された。

2002
(平成14年)
デジタル監視カメラDC-150L

デジタル監視カメラDC-150L

前機種(DC-150b2)からのさらなる機能・性能アップのため開発された。内蔵の150万画素CCDにて取り込んだ高解像度画像を、内蔵のハードディスクへデジタル化して録画を行うデジタル監視カメラ。LANで接続されたパソコンから各種設定、画像検索再生、ライブ画像表示、データ転送などが可能となった。

住民基本台帳ネットワーク稼働

パスポートの発給申請などの際に、住民票の写しを提出する必要があったが、住基ネットを利用することでこの手続が省略された。

2003
(平成15年)
ツインゲート

ツインゲート

2003年グッドデザイン賞受賞。セキュリティを要求されるエリアにおいて、あらかじめ許可された人だけを通行させるゲート。クマヒラGG-1をはじめ、各種の入退室管理システムとの連動が可能である。開発段階では、短時間に多くの人を通行させるためのスライドパネル開閉制御方法と万が一挟まれた場合の衝撃を極力少なくするための制御方法との両立が困難であった。

新型肺炎SARS、中国を中心に感染拡大

中国南部の広東省を起源とし高熱、せき・息切れ・呼吸困難などの呼吸器症状が32の地域と国で報告され、世界的規模の集団発生となった。後に新型の「コロナウイルス」が原因であることが突き止められ、日本では感染症法の改正に伴い、第一類感染症として報告が義務付けられている。

2004
(平成16年)
セキュアキーロック

セキュアキーロック

ポータブル型のキーボックスは金融機関向けに限定した仕様であったため、一般市場の要求を満足に満たせない場合があった。そこで、一般市場の要求仕様を満たし、機械警備連動が行え、GG-1とも連動を目的として開発。1ユニットに30本の鍵をまとめて収納するオープン収納式で、高密度に鍵を格納できるため、管理する鍵の本数が多い場合に適している。また、管理ソフトウェアの「セキュアモニタ」にて複数台のセキュアキーロックを一元管理することも可能である。

新潟中越で震度7、震度6強2回

新潟県北魚沼郡川口町(現長岡市)の直下を震源として発生した逆断層型の内陸地殻内地震で、震源直上の川口町では最大震度7を観測した。震度計で震度7が観測されたのは初めてであり、M6を越える規模の大きな余震が複数回発生するなど、余震回数が多く群発地震的様相を呈した。

2005
(平成17年)
キーデポジット

キーデポジット

非接触ICカードや生体認証などの本人確認で鍵の貸出・返却を自動化し、テナントビルなどで要求される「他の利用者に鍵を見せたくない、触らせたくない」、「機械警備連動させたい」などの一般市場の要求を実現。GG-1とも連動し、鍵の貸出、返却の記録を確実に残す鍵管理システム。

個人情報保護法施行

個人情報の大量漏洩事件が社会問題化。個人を特定し得る情報を扱う企業・団体、自治体などに対し、「個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護すること」を目的に施行された。

サークルゲート

サークルゲート

2006年度グッドデザイン賞受賞製品。前後2枚の扉とセンサー搭載により確実に1人ずつ通行させることができるゲート。重量センサーを追加することで個人の体重をチェックし、測定値と登録値を比較し厳密な本人照合をすることができた。ゲート内における、精度の高い1人確認方法の確立と半円筒形のデザインの実現に多くの苦労があった。セキュリティゲートの最上位機種となる。

2009
(平成19年)
ユニゲート

ユニゲート

オフィスビルのエントランスホールに設置するために建築デザインの視点から開発されたセキュリティゲート。最大のポイントは、ガラスを多用した最近の開放的なビルエントランスと調和して快適な空間デザインを演出するシンプルな外観。開発では極端に少ない容積の中に機構や電子部品、配線等を詰め込む設計が非常に困難を極めたが、成功するまで様々な変更や調整を行うことにより製品化することが出来た。2009年度グッドデザイン賞受賞。

裁判員制度がスタート

国民が自分を取り巻く社会について考えることを目的とし、検察官や弁護士、裁判官など法律の専門家が中心となっていた裁判官に国民が選出される制度が成立した。2009年に施行され、同年8月3日に最初の公判が行われ、より良い社会への第一歩となることが期待されている。

2013
(平成25年)
モバイル金庫

モバイル金庫

金庫内に設置する壁面収納庫のレイアウトを基準とし、必要な機器をコンパクトに配置して、金庫室の省スペース化を実現したパッケージ商品。組立や解体が可能で、テナントビル等への設置や移設を行うことが可能。従来の金庫室設備をパッケージ化することにより、コスト低減及び納期短縮へと繋がった。

富士山が世界文化遺産に登録

国連教育科学文化機関(ユネスコ)により、日本政府が推薦した「富士山」(山梨、静岡両県)が世界文化遺産に登録された。富士山は古来、日本の象徴として日本人の山岳信仰や葛飾北斎らの浮世絵の題材にもなっており、日本の世界遺産は17件となった。

ランガードSX-H2

ランガードSX-H2

H.264対応で、CCTVカメラ16台とネットワークカメラ16台、合計32台の接続が可能なハイブリット型レコーダーとなる。ハイブリッド型レコーダーの中では数少ないRBSS認定製品(日本防犯設備協会 優良防犯機器)。先行モデルのレコーダーとできる限り共通化を図り、操作方法や設定方法も従来製品と同じくすることが出来た。

2020年夏季オリンピックの開催年が東京に決定

1964年の大会以来、56年ぶりとなる東京でのオリンピック開催が決定。フリーアナウンサーの滝川クリステルがスピーチで発した「お・も・て・な・し」がユーキャン新語流行語大賞を取るなど話題となった。

2016
(平成28年)
液体検査装置LSR-M1

液体検査装置LSR-M1

液体検査装置とは、空港や重要施設での手荷物検査場において、手荷物に紛れて持ち込まれる液体爆発物や可燃物の容器を開封せずに発見することが出来る製品。クマヒラの液体検査装置は国内で初めて国際性能基準ECAC TypeB-Standard2に適合した製品となる。

熊本でM6.5の地震

熊本県熊本地方を震央とするマグニチュード6.5の地震が発生。熊本県益城町では震度7を観測。この地震により死者は267名に上り、重軽傷者は2804名という大災害となった。

2017
(平成29年)
金属探知器

金属探知器(MDR-S)

金属探知器(MDR-S)とは通行者の所持する金属を検知し、発報する機器。製品開発では、今まで開発・製造したことのないカテゴリの機器であった為、試行錯誤を繰り返しながら回路、機構、ソフトウェアを作りこんだ。MDR-Sの特長として、通行時の振動による影響を低減、101段階の細かい感度調節、外部出力が可能といった機能がある。

九州北部豪雨

対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に暖かく非常に湿った空気が流れ、同じ場所に猛烈な雨を継続して降らせた影響により、九州北部地方を中心に豪雨が発生。福岡、大分両県で大規模な土砂崩れや河川の氾濫が起き、大量の流木で家屋や鉄道の鉄橋などが流された。

液体検査装置LSR-M2

液体検査装置LSR-M2

国際的なテロのリスクが高まる中、2016年に発売された液体検査装置LSR-M1の性能面、機能面をさらに向上させた新型液体検査装置LSR-M2が開発された。判定精度や使いやすさが向上し、最高クラスの性能基準 ECAC TypeB- Standard3に適合した製品となった。

トランプ米政権発足

共和党のドナルド・トランプ氏が第45代米大統領に就任した。トランプ氏は就任演説で「米国第一主義」を宣言し、直後に環太平洋連携協定(TPP)から離脱。国際協調を掲げたオバマ前政権からの様変わりは世界に衝撃を与えた。

TO THE FUTURE...

創業から1世紀、
クマヒラは大切なものを
守りながら進化しています。

年々、重要性と存在意義がクローズアップされる「セキュリティ」。
クマヒラは創業以来、すべてのリスクからお客様の「価値」を守りたいという変わらぬ思いで、製品とサービスを進化させてきました。
また、時代とともに変化するリスクに対応して、あらゆるセキュリティシステムの研究・開発に取り組んできました。
安心して過ごせる社会を作るために、クマヒラはこれからもセキュリティを通じて世の中に貢献してまいります。

クマヒラグループの歴史は
ここから始まりました

STORY 01創業から終戦まで

「金庫のクマヒラ」として
名をはせるまでの背景をご紹介

STORY 02戦後の復興と
事業基盤の確立