CULTURAL PROPERTIES 文化財保存設備

収蔵庫設備

文化財を様々な脅威から守る

文化財の収蔵・保管には効率的な収納に加えて二つの観点からリスク管理が必要です。
一つは火災・地震・水害・盗難といった突発的な災害・事故などによる文化財の消失・損傷といった非常時の対策です。もう一つは温湿度条件や建材から発生する汚染ガスなど、ゆるやかですが確実に進行する通常時の劣化への対策です。収蔵庫は設置環境や収蔵する文化財に合わせて、リスクに対応する性能を有している必要があり、構築計画段階から慎重に検討を進め綿密なプランニングを行うことが求められます。

文化財を守るクマヒラの収蔵庫設備

MAIN FEATURE

収蔵庫設備の特長

  • 特長01

    耐火性

    火災時の温度が約1000℃にも及ぶのに対し多くの文化財の耐熱温度は80℃程度とされており、焼失することはなくてもは熱によって変質したり損傷することがあります。そのため、収蔵庫設備には火災時でも庫内温度を80℃以下に抑える耐火性能が求められます。
    クマヒラでは火災時の劣化リスクを低減する収蔵庫設備の構築をご提案しています。

  • 特長02

    防犯性

    貴重な文化財の盗難被害を防ぐため収蔵庫扉や壁体には破壊に耐える堅牢性が求められるほか不正な解錠を防止する施錠機構が必要です。
    クマヒラの収蔵庫扉はダイアル錠とシリンダー錠による二重の施錠機構を標準装備し工具を用いた攻撃に対する耐久性も備えているため高い防犯性能を有しています。また、電気錠モデルを選択することで入退室管理システムと連携させた厳正管理が可能です。

  • 特長03

    調湿性

    湿度の高い環境ではカビの発生リスクが高まるほか、木像や紙などの木質系文化財や絵画の顔料などは乾湿の繰返しによりひび割れや剥離が生じるリスクがあるため、収蔵庫内の湿度は一定に保つことが求められます。クマヒラでは超高性能調湿建材キュアライトSを収蔵庫の内装仕上材として施工し、高い調湿性能を有した保存環境を構築します。

  • 特長04

    環境性

    収蔵庫で使用される内装材には庫内環境を悪化させない素材を選定する必要があるほか、外部からの汚染物質を庫内に入れない構造が必要です。クマヒラは独自の収蔵庫構築工法であるギャラリーボールト工法と超高性能調湿建材キュアライトSを組み合わせ、高い環境性能を有した収蔵庫設備を提供しています。

収蔵庫の構成例

収蔵庫の構成イメージ図
    

ギャラリーボールト工法

        
クマヒラ独自の収蔵庫構築技術『ギャラリーボールト』

ギャラリーボールト工法(GV工法)は、清浄な保存環境の構築を目指して考案されたクマヒラ独自の収蔵庫構築工法です。収蔵庫を構成する床壁天井の6面を不透湿構造とし、庫内面に超高性能調湿建材キュアライトSを使用することで空調停止時でも外乱要因を遮断して庫内の空気質を清浄に保つとともに、ゆるやかな変温・恒湿を実現しています。
クマヒラは日本で初めてGV工法を提唱し調湿建材の研究・開発を行っています。



【GV工法の主な特長】

・不透湿層を構築することにより庫外からの有害物質の流入や湿気の流入出を防止します。

・優れた調湿性能と不透湿構造により長時間空調を停止しても庫内を一定の湿度に維持します。

・空調設備を間欠運転させることができるため電力コストの削減につながります。

・文化財の入出庫作業時などに扉を長時間開放し、外気の流入による湿度変化が生じても、閉扉後速やかに元の湿度に戻す働きをします。

LINEUP

ラインナップ

CASE STUDIES

収蔵庫設備の事例紹介